映画「ベイビーブローカー」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉
見どころ
あらすじと見どころ
感想
是枝監督作品を韓国を舞台に韓国の俳優陣が演じた作品。
それだけでも、 どんな感じに仕上がっているのか見てみたくなるけど、 作品の内容も良い。
心の中にそれなりの正義があるものの、 やはりお金のために赤ちゃんを売っていたサンヒョン( ソンガンホ)とドンス(カンドンウォン)が、 次第にそれだけではなくなっていく感情の変化、 それを現行犯逮捕しようとじっくりと張り付いて捜査している2人 の女性刑事(ペドゥナ、イジヨン)も、 次第に現行犯逮捕したいという思いより赤ちゃんが無事に良い環境 の家庭に迎え入れられることを望む感情の変化、 この変化を是枝監督らしい少しずつ、 丁寧にといった繊細なやり取りや描写を韓国の俳優陣が上質に演じ る…さすがだなぁーと思った。
最後の夜に電気を消してソヨン(イジウン) が一人一人に生まれてきてくれてありがとうというシーンが印象深 かった。
みんな親から愛されることなく育ってきたけど、 自分たちは生まれてきてよかったんだと互いに言い聞かせているよ うに感じた。
母性を抑えているソヨンに優しく接するドンスの色々な言葉はスト レートですごく良かった。この2人がもっと早く出会えてたら、 ソヨンも人殺しなんてしなくて済んだだろうに。。
逮捕されるシーン、静かに逮捕される様子が
胸を打った。 覚悟している感じがなんともいえない悲しさがあったし、 これで疑似家族が終わってしまったという悲しみもあった。
逮捕からのその後がまた良かった。 ソヨンが赤ちゃんを子供を持ちたかったけど何らかの事情で持てな かったであろうスジンに託していて、出所したソヨンと疑似家族、 みんなで赤ちゃんの将来を考えようという、 一人で育てるんじゃなくみんなで育てていこうよっていう優しい世 界観に心温まった。