映画「流浪の月」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉

見どころ

独自評価 ★★★★☆(4.0)
あらすじと見どころ
家に帰りたくなくて公園にいた少女・更紗(広瀬すず)を、家に招き入れた孤独な大学生・文(松坂桃李)妙な同居生活だが、居場所を見つけた幸は文と楽しい日々を送る。だか、文は「誘拐犯」、更紗は「被害女児」となり、警察により2人は引き離される。15年後、2人は偶然の再会を遂げる。
しかし、2人とも恋人がいて、、
子供向きでは、ないです。
大人が見るやつです。
横浜流星の芝居がいままでの彼のイメージを覆す!

感想

文はロリコンだけど、ただ性的なところでロリコンというわけじゃなく、幼い子を守りたいと思う人で、誤解されて犯罪者となって、つらい人生を過ごしてきたんだな…完全に思い描いていた文という人が本当のところというのはもっと深いところで抱えているものがあった。その真実が最後に分かり衝撃を受ける。文の感情と言動を捉え違ってた部分とか、これ家でDVDとかで見てたらちょっと戻して見直したいところが色々あるなぁ…そうだったのか…とちょっと文に理解できなくてゴメンと言いたくなった。
そうだったのか…という気持ちが強くて見終わった後にしばらく考え込んでしまう。
更紗はおばさんの家で受けたいとこからの性被害のトラウマからぬけられず、文と過ごした日々も忘れられず、周りからは被害者であるという好奇な目で見られ、生きづらい。
文も誘拐事件の犯人とされ犯罪者となる、母親との確執、自身の体質、普通に暮らしたいとは思うけど、やはり自分という人間を誰にも話せず生きづらい。
この生きづらい2人が再会して、出会うべくして出会い、そして一緒になれれば一番いいのだけど、誘拐事件のことがあるからそうもいかず、これから2人でいたとしてもきっと生きづらい。
けど、2人でなら1人より心強いし、理解し合える人がお互い他に現れないと思うし、周りの目はこれからもあるだろうけど、なにより心が無理をしないでいられるこの2人が一緒にいることを選んだのならこれがハッピーエンドだと思う。
展開がすごく面白いとか、テンポがいいとかいう映画ではなく地味な作品ではあるけど飽きることはなかった。
広瀬すずがこういうシーンをするようになったのか。もう少女じゃないと分かってるけどおばちゃんは複雑…
そして、断然爽やかイメージの横浜流星が、、とんだDV粘着彼氏…でもなんかしっくりいってた。殴る蹴るのシーンが迫力があった。爽やかさ置いてきていた。でもこの亮も、かわいそうな人だなって所もある。亮はすっごいあったかい家庭で育ったほんわかした人と結婚するといいのに。行き場所がない人を選んでいるようだけど、行き場がいくらでもあるどんと構えてる人に身を任せればうまくいくと思う。
更紗の幼少期を演じた白鳥たまきさん、よくドラマで見かけるけど、スゴイ演技派。そして、幼少期と大人の更紗が雰囲気表情がすごくリンクしていた。
この映画のその核心な部分を表現するためのシーンで、松坂桃李のウエストの細さにびっくりした。かなり体重落としたんだろうと思う。全身を見た時はなんか心が痛くなった。
さすが松坂桃李
元々の体質や性質はあるだろうけど、心の芯の部分というのは子供の頃の環境がその子がどんな大人になるかに大きく関わる。
文が、お母さん僕のことをちゃんと見て、というシーンを忘れずにいようと思う。