映画「死刑に至る病」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉

見どころ

独自評価 ★★★★☆(4.2)
あらすじと見どころ
鬱屈した日々を過ごしている大学生・雅也のもとに24人を殺害した連続殺人犯、榛村から一通の手紙が届く。
「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい」という内容のものだった。
中学時代に榛村が営むパン屋の常連客であった雅也は榛村の願いを聞き入れ事件を独自に調べていく。だんだん真相に近づいていくがそこには思いもよらない事実が…
ホラーサスペンス!ハラハラドキドキの映画。
怖いしグロいので小さい子供向けではないものの、ホラーやサスペンスやハラハラドキドキが好きな人は満足のいく作品だと思う。
阿部サダヲ演じる榛村の演技に終始引き込まれる。
話も演技も美術も音も、どっぷりホラーサスペンス!

感想

見終わった後、なんとも言えないこの気持ち。後味の悪さ、なのか。これぞサスペンスホラーだという感じの終わり方をしている。
雅也がだんだん榛村に洗脳されていくのだけど、その雅也と同じ感覚で私も洗脳されていった。
榛村は最後の事件はやってないだろうと、私も榛村の無実を信じたし、もしかして本当は全部誰かの罪被ってる?とかも思ってしまった。
この映画の一番の見せ場のシーンは榛村と雅也の面会のシーンだと思う。
面会の度に毎回雅也の表情が変わっていて、雅也の心の動きや変化が見て取れた。
自分が榛村の息子かもと思い出してからの雅也の変化。榛村も言っていたけど、連続殺人犯の息子なんだと思ったらなんだか自分が普通じゃないという特別感みたいなものを身に纏っていた。歩き方も姿勢も変わって堂々とし出した。それはとても変な自信なんだけど。。
虐待されていた子供は暴発する可能性を秘めている…という通り暴発寸前の雅也。雅也があのまま一線を越えなくて本当に良かった。。
最後の面会のシーンで、根津さんの事件を雅也は榛村の犯行だと自分の推理を榛村に話をしていく、私もその時は雅也の推理が正解なんだと思って見るけど、そのあとに榛村が金山(岩田剛典)が嘘をついているというと、そうなのかも…とまたわからなくなる。榛村の言葉の発し方、表情、これにみんな騙されて洗脳されていく。最後の最後まで榛村に完全に翻弄された。雅也よりも翻弄されたかもしれない私…
阿部サダヲの演技に完全に洗脳されてしまった。
榛村は自分の罪を悔いてないし、むしろまだまだやれると思っているから、完全に異常者。このサイコパスを演じ切るってすごい…
岡田健史も心の変化を体現表現し、変化の段階をスムーズに演じていた。
ただ、この映画、さすが白石監督だという作品で、孤狼の血ばりのグロさとエグさ。
目を何回も覆った。これは、特殊メイクとか演出とか、音とか、影技法とか、様々なものがすごいんだろうと思う。
話も怖い、映像もすごい、役者もすごい、面白い!でも、、子供たちはこれは怖いから見ない方が。。
とにかく、ラストのシーン、雅也…その人と別れて、逃げて、どうか普通に暮らしていてほしい。