映画「決戦は日曜日」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉
見どころ
感想
この映画を見て、政治家の人達を見る目がちょっと変わったかも。
由美さん(宮沢りえ)は、 お父さんの後継者として急遽地盤を継ぐことになったど素人の政治 家だから、感覚的には一般人に近いと思う。 差別発言や問題行動でたびたび炎上していたけど、 嘘つくことの抵抗感とか、 これまでの定例だからと間違ったことでも当たり前のように事を進 めていく秘書や後援会などに対しておかしいと言える、 こんな気持ちが大切だと思うけど、 政治の世界って結局これが正しいことだと思ってもそれを実行する ことは難しいがんじがらめな世界なんだろうな…
議員秘書もみんな肝が据わっていてハプニング慣れしている。 対応能力がすごすぎる。
政治を決めているのは議員ではなく議員秘書のように思えた。
この映画では、由美さんの気持ちに心が動いた秘書の谷村( 窪田正孝) が由美さんと共になんとか抗おうとして結果抗えなかったけど、 最後は何がこれからやってくれるのではないかと期待できる終わり 方だったから、この映画の中の政治の世界には少し期待を持てた。
実は切実な内容ではあるものの、 しっかりとコメディタッチに描いていて、 笑えるシーンもたくさんあって、展開も面白かったし、 配役も良かったし、窪田くんのスーツ姿がとってもカッコ良く、 良い映画だった。
子供に見せがたいシーンとかはないので、 家族で見ても良いと思う。 子供たちが政治について身近に思えるかもしれない。
映画「マスカレード・ナイト」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉
見どころ
あらすじと見どころ
東野圭吾の小説マスカレードシリーズの映画化。 前作マスカレードホテルに続き舞台は山岸(長澤まさみ) がホテルマンとして働くホテルコルテシア東京。 このホテルでまたしても事件がおこると密告状が届き、 刑事の新田(木村拓哉)がホテルマンに扮し潜入捜査をする。 今回は12月31日に行われるホテルのイベント「 マスカレードナイト」 に都内で数日前に起きた殺人事件の犯人が現れるという内容でパー ティ参加者は500人。 参加予定の怪しい人物が次々とチェックインしていく。 タイムリミットが迫る中新田山岸コンビが事件解決へ奮闘する。
豪華出演者と非日常的ホテルな空間。考察し放題。 映画館で見たほうが豪華な雰囲気を味わえる。 家族で楽しめるエンタメ作品という感じ。
感想
素敵なシーンなんだろうけど、 大きいスクリーンのせいもあってか、初めの感想として… キムタク、老けたなぁ、、と思ってしまった。 マスカレードホテルでもそうだけど、 捜査に入るとホテルマンのように髪の毛を短くするから、 早く髪切ったキムタクが始まって欲しかった。
とにかく登場人物が多いし、伏線も多いし、 みんな犯人っぽく見えるし。
結局、同系列のホテルマンだったから腑に落ちたけど、 いくらお客様に要求されたとしても、 普通あんなにホテルってサービスするか?! ってシーンがすごくあって、 映画自体の内容よりも私はそっちの方がとっても気になってしまっ た。
田中みな実の風船の対応もあり得ないし、 色々ちょっと現実的じゃないなって感じた。
これを見て実際にホテルに無理な要求したりわがままいったりする 人増えるんじゃないかと心配になった。
それが気になっていたからか、 犯人は全く最後までわからなかった。
麻生久美子は怪しかったけど、 一度犯人じゃなさそうという流れになったから外していたし、 終いにはホテルマンである石黒賢が犯人かも、 とか思って観ていたし、 キムタクが犯人であろう人とタンゴを踊っていた時も、 女性だなとは思ったけど、中村アン?とか思ってしまったし、 前作のマスカレードホテルでは松たか子が老婆の姿でホテルに来た 時点でもうこれ犯人だろってすぐ分かってしまったから、 今回は犯人が最後まで分からなかった点では満足。
私の感想としては、 映画の内容や展開よりもホテルのここまでやるの? という過剰なサービスのあり得なさが気になってしまった。
たくさんの役者が出ていて豪華なんだけど、 豪華ゆえに物足りなさを感じた。
でもいろいろ考察しながら大人から子供まで家族で楽しめる映画に なっているし、エンタメとしては良いのではないかと思う。
映画「空白」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉
見どころ
感想
リアルに自分や周りの人にいつ起きるかわからないから、 身につまされるというか、 こうならないようにするためにはどうすべきだっただろうか、 ということばかり考えてしまう。子供を理解すること、 その子の特徴個性に対して無神経な物言いはしない、 運転は気をつけ過ぎるくらい気をつけること、 もし自分がお店の店長だったとして、 もし万引きをみつけても安全に配慮し深追いしないこと、など。
車に跳ねられるシーンがリアルすぎて、衝撃だった。本当に。 このシーンはきつい。胸が苦しくなる。
中学生の娘が、なんかもうかわいそうで…ずっとあと引く… 万引きは良くないけど、完全にあの万引きはSOSだろうよ。 担任の先生もなんか言い方が強くて繊細な子だったら心痛めると思 った。お母さんにはもう新しい家族いるし、父親はあんなだし。 心が壊れるのは必須という感じ。そしてあんな亡くなり方。。 胸が痛む。。
あの父親は、ほんともう、嫌だ。 娘が亡くなって悲しいのはもちろんわかるけど、 周りのせいにしたくなるのもわかるけど、 まず娘に対する態度がないわ。 あんな威圧的な父親になど悩みはもちろん話せないし逆らう気すら なくしてしまいそう。 また古田新太があの憎たらしくなる感じをうまく演じていてさらに ムカついていた。 なんでお母さんと暮らすことを選ばなかったのだろう。 新しい家族がいたとしてもあの父親と2人で暮らすよりはマシだっ たのではと思う。
中学生の娘も可愛そうだったけど、 いきなり飛び出してきた中学生を初めに跳ねてしまった女性も気の 毒…
松坂桃李もスーパーの店長だったたけで、 たまたま万引きみつけただけで、人生が一変して、 気の毒ではあるけど、やっぱ追いかけるときに、もしかして、 かもしれない、を考えてなかったのは悪かった。 小さい子供を育てたことがある人だったら、 あんなに追いかけたら車に跳ねられるかもしれないということは想 像がつく。相手はまだ中学生なんだし、あの対応は良くなかった。
この映画見てから車の運転はいつも以上に気をつけている。 気をつけることで少しでも回避できる可能性があるのならやれるこ とはやる。
映画としてはいい作品。配役もいいし心にも刺さる。 でもかなり引きずる…見たあとのダメージがあるから、 心が健康な時に見た方が良い。
映画「きのう何食べた?」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉
見どころ
感想
まず、京都旅行のシロさんのセレクトが最高。 昼ごはんも宿も観光メニューも全て決めてある。 しかもケンジが気になっていたところや喜ぶ場所をすべて把握して ある。なんて素晴らしいんだろうか。
そして後半はケンジが健気でかわいい。 自分の気持ちを素直に伝えたりシロさんの両親を思いやっている。 よくできた彼氏。
2人とも、年齢のこともあって、 何か隠しているような素振りがあるとすぐ病気なんじゃないかと勘 繰ってしまい、 もしかして死んでしまうんじゃないかと思い心底不安になる。 男と女だったら結婚という形があるけど、 同性だとそういった明確な形がないから余計不安になるのだろうと 思う。
年齢的に落ち着いた仲良し夫婦そのもの。
ケンジの金髪サングラス姿にときめいた表情のシロさんがかわいか った。
このふた組のシーンは楽しくてずっと見てられる。
これを見るといつもおっくうだと思う料理作りもなんだかやる気が でてくる。
物語全般、派手さはないし考察することもないし、 割と平坦な内容だけど、微笑ましくて穏やかな気持ちになれる。 そして料理も教えてもらってやる気ももらえる、 という全世代で見られる良い作品だと思う。
映画「鳩の撃退法」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉
見どころ
感想
途中まで現実の世界と小説の世界とが入り混じり頭が混乱する。 前半で伏線のタネみたいなものがばーっと撒かれる。
時間軸が前後したり、視点も二つあり、 ちょっと頭をしっかり働かせながら目を凝らして見ておかないとい けない感じがある。
3万円というワードが場面場面で色んな使われ方をしていて、 何で金額が一緒なんだろうか…たまたま? と頭の片隅で気にしながら見ていたら、 この話は津田のフィクション小説の話ではなく、 現在進行形の話であるということが判明する。そうすると、 さっき撒かれた伏線のタネが急にあっさりと回収されはじめ、 先程頭の片隅で気にしていたあの3万円は全て同じ3万円であると 分かる!ここがかなりスッキリした。
そして登場人物もどんどん繋がっていって、 1人からイコールで式がつながっていくというか、 なんと表現したらよいかわからないけど、 相関図を説明するかのような感じで話が進みだす。
そこから途端に分かりやすい物語になって、 全てが分かったときはかなりスッキリしていく。
3万円も色々経由するけど、ピーターパンの本もまた色々経由し、 だからここにあるのか、とか、 秀吉が手を叩くのも何なんだろうかと思ってたら後から、 ああそういうことね!となる。
ただ、関係性が分かるまではずっとモヤモヤする。
意味がわからないまま、まあまあ進むし。
前半頑張って見たら、 中盤くらいからぐっと面白くなるという感じ。
鳩の撃退法というタイトルはなぜこれなのか謎。 鳩が偽札を指しているのは分かったけど。それと、 秀吉が妻と娘が乗った車でどこかへ急発進していくが、 あの後どうなったから最後に秀吉が津田の店を訪れることができた のか、秀吉の娘はどうなったのだろうか、わからないまま。
小説の映画化なので、 原作をどれくらい2時間の映画にまとめられたのかは気になる。
この映画、年齢制限なしとなっているけど、 制限はなくとも指導のもとくらいはつけたほうが良いと思った。 何もなしだからと思って子供と一緒に観れるような雰囲気だしては ダメだと思う。 映画館なんてもっての外と言いたくなるような子供には不向きな男 女シーンがある。
そもそも子供が見て内容も難しいし、子供にはわかりづらく、 これは大人向けな映画だと言える。
この映画が面白かったかといえば、 私はこういう展開の話は繋がった瞬間にスッキリするし、 キャストも安定の藤原竜也で問題なく、 風間くんの役どころもハマっていたと思うし楽しめたけど、 意味がわからないモヤモヤした前半を過ごすのが苦手な人にとって は受け入れにくいと思った。
映画「そして、バトンは渡された」見どころ〈ネタバレなし〉感想〈ネタバレ〉
見どころ
あらすじと見どころ
ベストセラー小説の映画化。
4度苗字が変わった優子、現在は3人目の父森宮さん(田中圭) と二人暮らし。
血の繋がりのない森宮と優子だが森宮は優子のことを大切に育てて いる。
全世代に見て欲しい映画。 温かいうえにストーリーの展開もうまくできていて面白い。
感想
人の善がたくさん詰まった作品で心が浄化される。
境遇環境だけ見れば優子は可哀想かもしれない。けど、 優子をみんなが大切にしていて、 そこに血の繋がりとかは関係なくて、 梨花さんも3人の父親たちも優子のためにみんなが動いていく。 なんだろうか、この持って生まれたものなのか、 誰かが守りたくなる存在。 そしてそんな優子と出会うことで皆んなも自分の存在意義を見出せ る。
梨花さんがとにかく魅力的で見た目はちょっと派手だけど子育てを 懸命にやっている。 映画でも現実でもこの流れから虐待へと話が進みがちだけど、 この映画は正反対。みーたんに優しく愛情深い。 泉ヶ原さんの家にみーたんを一時期置いていってしまうけど、 それもちゃんと理由があって、 いつも梨花さんなりに最大の愛情をみーたんにかけている。
ストーリー展開も面白い。みーたんと優子が別なのか同じなのか、 梨花さんが現代の話なのか過去なのかも初めの方はわからない。 でもきっとみーたんが優子で梨花とみーたんのシーンは過去の話し なんだろうなぁと思いながら見ていたものの、確証はなかった。
思った通りの展開だったけど、みーたん= 優子の継なげかたがスムーズで過去と現在での伏線の回収も無理な く分かりやすい。
そして、すごすぎて感心したのがピアノのシーン。 早瀬くんが教室でピアノを弾くシーンにはびっくりして鳥肌が立っ た。 ピアノの音がとにかくダイナミックで心にドーンと入ってきた。 あのピアノを聞いた優子も心を奪われたようにぼーっとしていたが 、私も優子と同じ気持ちになった。 アンパンマンの曲を弾くシーンも力強くて繊細で、 カッコよかった。あのシーンは是非スクリーンで見てほしい。
現在のシーンでところどころにリカさんの存在を思わせるようなと ころがあるが、髪の毛を隠しているように見えたので、 もしかしたらと思ったが、もしかしていた。
リカさんもすごいけど、泉ヶ原さんもすごくて、 森宮さんもすごい。この3人は優子とは一切血縁関係はない。 それなのにこんなに愛を注ぐ姿に心が温まった。
この映画は内容も良いし、キャストも良いし、 大人も子供も見て共感するところもあるし、 タイトルと映画の内容が腑に落ちる感じが見終わった後清々しいし 、誰にでもおすすめしたくなる映画。
もう一度見て、もっと泣く、と銘打っているが、私は、 もう一度見たら最初っから泣く。
映画「護られなかった者たちへ」見どころ〈ネタバレなし〉感想〈ネタバレ〉
見どころ
感想
この映画の完成度はものすごく高いと思う。
ミステリー性も良いし、内容も奥が深い。
展開も良いしメッセージ性もある。とても良質な映画。
護られなかった者たち、とは誰に向けてのことだろうか、 映画の終盤にこのタイトルの意味がわかる。 だから守るじゃなくて護るなのか!と。
映画のタイトルへと話がうまく繋がっていき、 そして被害者の三雲(永山瑛太)、城之内(緒方直人) の身に起きたこと、利根(佐藤健)と笘篠(阿部寛) が最初に避難所の階段でぶつかったシーンがあったがこの2人がも うこの時すでに運命が絡まっていると分かること、 わからなかったことを終盤に全部一気に見せるその見せ方というか 、ストーリー展開がよかった。作り方がすごく好きだった。
そして、生活保護についても何が正しいのか、 悩むしわからないし、考えさせられる。
事件の被害者となった三雲と城之内が利根に言った原理原則とか、 確かにあれは無神経な発言だった。 でもあそこまで追い詰められていたのも震災での過労が生み出した 心理状態なんだろうと思うと、 ただ必死に仕事してその結果がこれか、、と悲しくなる。 人格者であり、真面目な人物があんな…やられた方も可愛そう。
結局はみんな可愛そう。
生活保護の仕組みについて、この映画でよく分かる。 明らかに助けが必要なのに申請することにや受給してもらうことに 抵抗がある人もいれば、悪気もなく不正受給している人、 生活保護でも子供を塾に行かせたいから収入を申告しない人、 生活保護受給者といっても一括りではない。 申請を受け取る側の人間も、 必要な人にちゃんと届くようにと奮闘するカンちゃんのような熱意 のある職員さんもいればこの仕事に意味あるのかとわからなくなり ながらこなしていく職員さんもいる。
ただカンちゃんの言う通り、困っている人は声を上げべき。 不埒なものよりも大きな声で上げるべき。 上げなければ気づいてもらえもしない。 カンちゃんが護られなかった者たちへ残していたSNSのシーンに この映画の訴えたいメッセージが込められていてとても心に刺さっ た。
映画の内容同様、キャストも良かった。