映画「ノイズ」見どころ〈ネタバレなし〉と感想〈ネタバレ〉

見どころ

独自評価 ★★★★☆(3.8)
あらすじと見どころ
いずみ農園を営み、自身が生産している黒いちぢくがヒットし、まわりの期待を背負い、これから自分が育ててもらった地元に恩返しをしようと頑張っている好青年の圭太(藤原竜也)が、島に突如現れた変質者を殺してしまう。そしてその死体を幼馴染のじゅん(松山ケンイチ)と警官の守屋(神木隆之介)と共謀して隠蔽しようとする。
なんとか取り繕えたように見えたが、また次の死体の隠蔽をすることに。県警からやってきた刑事(永瀬正敏)がこの島の違和感を感じ少しずつ真相へと迫ってくる。
予想外の展開になる。先が読めない。
といった点では、面白い映画。
気持ち的には、見た後はちょっと、モヤモヤするような、荒々しいような、なんかいい気分はしない。
子供にはおすすめしないかな。話の内容も、映像的にもところどころエグいし。
サスペンスが好きな人はサスペンス感を楽しめる映画ではある。

感想

責任感が強く、周りの期待を背負った人が陥ってしまったかわいそうな話…という感じ。
小さい島の住民の団結力が裏目に出てしまっている。
基本みんないい人なんだけど、島の団結力の洗脳みたいなのがあって、善悪も、島の為にが前提で決まってるような。
一歩離れてみれば、これは間違ってるとか変だなと思えるけど、映画見てる間は自分もすっかり島の住民目線。一連の犯行、隠蔽がうまくいって、いちぢくが成功したらいいのに、などと思ってしまう。
何度も、県警さっさと島から出て行けよーと、私も島の住民Aになってた。
両親がなくなって、島の人たちに育てられたからと自分のいちぢくで島に恩返しをしようという圭太はこの先有望な青年だったはず。それが一つの勘違いから人を殺してしまい、それを隠蔽するためにどんどんドツボにはまって不幸になってしまったのが悔しい限り。最初に自首していたらなぁ…あそこで自首するのが正常な判断なんだけど。島のかさぶたにならなきゃとか島の繁栄のためっていう考え方が判断を狂わせてしまっている。自分の為に生きればいいのに。
そもそもは前科ありで、出所すぐ保護司を殺害したこみさか(渡辺大知)が1番悪い!あれは圭太じゃなくても勘違いしかねない。怪しさ満点。あいつさえ島に来なければ!!善意でお世話してくれる保護司の人を!!ほんとに許せん。
市長にもビックリさせられた。あの市長むちゃくちゃだ。
1番かわいそうだったのは守屋(神木隆之介)のお母さん(鶴田真由)だと思う。愛情深く育てて、息子も警官になってこれからという時に。悲しかった…
最終的にこの物語の軸となっていたのはジュン(松山ケンイチの闇。。それでも受け入れる友達思いの圭太は人が良すぎる。
やたらと死人が出るし、後味としては色々悪かったけど、飽きさせない展開になっていたし、ジュンの闇は予想がつかなかったので、サスペンス要素が楽しめる映画だった。